上顎洞内歯牙迷入

上顎洞内歯牙(歯根)迷入とは

上顎洞は鼻の横、目の下のいわゆる頬に存在する含気洞で、空気が入っています。これに鼻から感染や歯からの感染が起こるといわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)=上顎洞炎になります。この空洞に歯や歯の一部、歯根などが迷入することを上顎洞内歯牙迷入と言います。

これを生じた場合には速やかに歯根を摘出することが重要ですが、速やかに摘出されなかった場合には、歯性上顎洞炎(歯が原因の蓄膿症)を引き起こします。重篤な場合には、顔面が腫れてきたり、鼻から膿が出たり鼻の奥から膿が出るなどの症状が併発します。

確かに、非常にまれですが迷入した歯根が極めて小さい場合に、放置していたら、上顎洞と鼻腔をつなぐ自然孔から、歯根が出てきたということもありますが、期待して待つということはしない方が良いと思います。

また、痛みなどの症状がないからといって、放置すると、時に迷入歯根が上顎洞粘膜と癒着を起こし慢性的な上顎洞炎に移行する可能性があり、事態がより重篤になることもあります。

どんな病変か・原因は

上顎の第一大臼歯などを抜歯している際に、抜歯操作のミスで偶発的に上顎洞に歯根が迷入する場合が多いですが小臼歯や第2大臼歯、親知らずなども迷入することがあります。

抜歯をしている歯科医師は、ほとんどの場合にそのことをわかっており対応しますが、中には患者さんに誤って上顎洞に歯や歯根が迷入したことを言わないドクターもいます。

治療の方法

上顎洞内に歯牙あるいは歯根が迷入した場合は、抗生物質の投与など感染防御をした上で、できるだけ速やかに迷入した歯(歯根)を摘出することが大切です。その後、歯牙もしくは歯根が上顎洞内に迷入した部分である穿孔部については粘膜骨膜弁などで口腔と上顎洞の交通を閉鎖する手術を施します。ただ、穿孔部分が小さい場合は、特別に閉鎖術を行わなくてもよく、放置していても問題はないこともあります。

摘出方法

1.歯茎を切開して上顎洞の前壁を開削し、上顎洞内の迷入歯根を摘出する方法

2.耳鼻咽喉科で内視鏡を用いて自然孔(鼻腔と上顎洞をつなぐ道)を大きく開削して鼻から摘出する方法

以上の方法があります。いずれも大学病院等では4、5日の入院が必要と言われることが多いと思います。

術後の合併症としては、出血、顔面や首に内出血斑(青あざ)が現れる場合もある。

手術部の痛み・腫れ・発赤、術後感染、眼か下部の知覚麻痺、鼻出血などがあります。

症例1

他院からの紹介で、上顎洞内に歯根を迷入させてしまった。後鼻漏で、ずっと鼻から臭い膿のようなものが出ているので、どうにかしてほしいとのことで来院されました。CTを撮影したところ歯根による上顎洞炎を併発しており、患者の希望もあり私どものクリニックで摘出術を施行することとしました。

  • 1.上顎の手術側の歯ぐきに局所麻酔をおこないます。
  • 2.歯茎を切開した後、上顎洞の壁の骨を卵円形に削除します。
  • 3.上顎洞内の異物(歯根などを含む)を除去し、同時に病的な上顎洞粘膜を除去し上顎洞を洗浄します。
  • 4.切開部を縫合し終了します。

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命を預かる歯科口腔外科診療

口の病気には口腔癌など命に直接関係する怖い病気以外にも、心筋梗塞や脳梗塞を起こす血栓の原因である歯周病菌や、誤嚥性肺炎の原因、敗血症の原因になる病巣、骨粗鬆症の診断など命に直結する疾患や原因が多く存在します。
私ども東京銀座シンタニ歯科口腔外科は、院長である新谷悟教授の25年に及ぶ口腔外科医として心血を注ぎこむ命を預かるクリニックとして開院いたしました。

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