口内炎について

口の中は、食事をしたり、呼吸をしたりするために常に外部と接しており、食事中に粘膜に傷がついたり細菌・ウイルスなどが付着・侵入する可能性の高い部分と言えます。歯肉や頬粘膜など、さまざまなかたさの粘膜で覆われて防御されていますが、侵入した細菌などや様々な原因によって炎症を起こすことがあります。これが口内炎です。

すなはち、「口内炎」とは、ほおの内側や歯ぐきなどの口の中や、その周辺の粘膜に起こる炎症の総称です。

口内炎の原因について

口内炎の原因はさまざまですが、大きく次の4つに分けられます。それぞれの原因など症状について解説します。

  •  疲労や免疫力の低下が原因と考えられる「アフタ性口内炎」

    一般的にもっとも多くみられるのが「アフタ性口内炎(白い潰瘍を作るタイプの口内炎)」です。原因ははっきりわかっていませんが、ストレスや睡眠不足、栄養不足などの疲れによる免疫力の低下、ビタミンB2が欠乏などの栄養不足などが原因として考えられています。
    アフタ性口内炎の症状の特徴としては、赤く縁取られた2~10mm程度の丸くて白い潰瘍が、ほお・唇の内側・舌・歯ぐきなどに発生することです。小さなものが2~3個群がって発生することもあります。普通は10日~2週間ほどで自然に消滅してあとは残りません。すべての年齢の方にできますが、比較的若い人に多くできる傾向があります。
    アフタ性口内炎の症状があり、自分でそう診断しても、なかなか治らないとき、範囲が広いとき、何度も再発するときは、ベーチェット病などほかの病気の口の中の症状であったり、前がん病変などの怖い病気であったり、くすりが原因の場合もあるので、すぐに病院へ行きましょう。
  •  ウイルスや細菌の増殖が原因の「ウイルス性口内炎」

    ウイルスや細菌が原因で起こる口内炎もあります。単純ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇にできるものなどが良く知られいる口唇へルペス)」や、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌の増殖が原因の「カンジダ性口内炎」などがあります。
    そのほかにも、通常は口腔内では見られない細菌ですが、性交渉などで口腔内に感染をして、口腔内に炎症を生じる梅毒・淋病・クラミジアなど、STD(性行為感染症)による口内炎も知られています。
    ウイルス性口内炎に多くみられる多発性の口内炎の特徴は、粘膜に小水疱が形成され、破れてびらんや潰瘍を生じることで、初期に水泡ができていたかどうかが診断のポイントになります。また、発熱や強い痛みを伴うことがあります。
  •  物理的刺激によって起こる「カタル性口内炎」

    「カタル性口内炎」は、入れ歯や歯の被せ物、あるいは食事中に魚の骨が刺さったりほおの内側をかんでしまったりしたとき傷ができることで生じる口内炎です。いわゆる傷だけではなく熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎もこの範疇に入ります。
    これらの刺激によってできた傷に細菌が入り込み、繁殖することで、口の粘膜が赤く腫れたり水疱ができたりします。
    アフタ性とは異なり、境界が不明瞭で、唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたりまた、味覚がわかりにくくなることがあるのもこの口内炎の特徴です。
  •  その他の口内炎

    特定の食べ物や薬物、あるいは金属などに対するアレルギー反応を起こすことで生じる「アレルギー性口内炎」、喫煙の習慣により口の中が長期間熱にさらされることにより起こる「ニコチン性口内炎」などもあります。ニコチン性口内炎の場合は、口の中の粘膜や舌に白斑ができ、がんに変化するおそれもあります。

口内炎のでき方

※使用画像は第一三共製薬ヘルスケア社のホームページより

  • 1. 粘膜や粘膜の下の結合組織と言われる組織を分解

    粘膜を正常に保つためのビタミン不足、疲労やストレス、ウイルス感染や外的刺激などにより、プラスミンというタンパク質分解酵素の一種が発生し、粘膜や粘膜の下の結合組織と言われる組織を分解します。
  • 2. 炎症のもとや痛みのもとが口内炎の周りに出てくる

    増え続けたプラスミンによって、ヒスタミンという炎症のもとやプロスタグランジン・ブラジキニンといった痛みのもとが口内炎の周りに出てきて、血管を拡張します。
  • 3. 炎症が起こる

    炎症を起こすと血管からこれらの物質が漏れ出やすくなり、むくみが起こり、痛みが発生します。
  • 4. びらん様にただれる

    炎症が続くと、粘膜の表面がただれてびらん様になります。
  • 5. 口内炎ができる

    さらに、ただれた部分がえぐられ、口内炎ができます。

口内炎に対する対応

口内炎は自分で薬局に行って薬を買ってきて治す方などが多いのではないでしょうか?

しかし以下のような症状がある場合には、歯科・口腔外科や耳鼻咽喉科などの専門機関に受診することをお勧めします。

  • 症状が口の中全体もしくは唇や口周辺へも広がっている場合
  • 症状が口の片側にのみ限局して広がっている場合
  • 発熱や全身倦怠感を伴う場合
  • 症状が10日以上続く場合

口内炎の予防について

  •  バランスのとれた食生活

    ビタミンB2・B6・Cを積極的に補って、免疫力を高めましょう。
  •  免疫力をアップさせる

    口内炎は体調のバロメーターともいわれます。かぜや疲れなどで免疫力が落ちていると口内炎になりやすくなります。ストレスや疲れを感じたらゆっくりと休み、夜更かしや不規則な生活を送らないよう留意しましょう。
    生活環境の変化もストレスになる場合があります。普段から、ほどよい気分転換を心がけましょう。
  •  口内環境を整える

    口の中の常在菌が増殖することによって、口内炎ができる場合もあります。口の中を清潔に保つことも重要な予防方法です。
  •  毎食後に歯磨き・うがいをしましょう

    口内環境を整える
  •  口の中を乾燥させないようにしましょう

    口の中が乾いていると粘膜の免疫力が低下し、口内炎になりやすいといわれています。
歯科口腔外科塾

新谷悟の歯科口腔外科塾

詳しくは、口内炎の診断・治療ページをご覧ください。

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命を預かる歯科口腔外科診療

口の病気には口腔癌など命に直接関係する怖い病気以外にも、心筋梗塞や脳梗塞を起こす血栓の原因である歯周病菌や、誤嚥性肺炎の原因、敗血症の原因になる病巣、骨粗鬆症の診断など命に直結する疾患や原因が多く存在します。
私ども東京銀座シンタニ歯科口腔外科は、院長である新谷悟教授の25年に及ぶ口腔外科医として心血を注ぎこむ命を預かるクリニックとして開院いたしました。

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