口腔外科医のお役立ちコラム Useful Columns
歯科医院での診断・治療
歯科医院での治療は初診の問診票に始まります。
問診票を通じて治療を受ける理由、お困りのこと、そしてどのような治療を望んでいるのか、どのようにしたいかなどを聞き、今までの治療の経過、全身の病気などについて知ることになります。そして、口の中の状態を見せていただき、歯や骨の中の状態を知るために、多くの場合レントゲン写真を撮ります。
レントゲン写真の中には多くの情報が盛り込まれています。眼窩、鼻腔、上顎洞、顎関節、顎の神経の位置、顎の骨の状態、そして歯を支える歯槽骨と歯の状態などを正確に把握して診断をします。この時に診断する歯科医師の診断能力が大切であることは言うまでもありません。
それとともに、口の中を見て歯と歯茎だけではなくて、ほほや舌、口蓋などの口の中全体の粘膜も見ることが大切です。
治療に関しては虫歯の治療一つとっても各々の先生で色々な考えがあり、いろいろな治療法が選択される可能性があります。また患者さんの要望や費用にも左右されるため、この診断をした場合には、この治療と決めれないのが現実です。
ですから患者さんの歯や歯茎の状態、骨の状態などを分かりやすく説明して、十分に理解していただいたうえで、患者さんの要望を聞き相談することが大切になります。その意味で患者さんを家族のように思い治療するという原則が重要になります。
患者さんを家族のように思い治療するという原則を貫いていたとしても一つの歯の状態に対して、治療法が複数存在するということもあるのです。ですからマニュアル化した歯科医院では本当に素晴らしい治療ができるのかと疑問に思うこともあります。