線維腫 Glossary Fibroid Tumour
線維腫とは
舌や頬粘膜部に好発する粘膜上皮下の線維性結合組織の増生より生じる充実性の腫瘍である。その、ほとんどが反応性の病変(外傷性線維腫、刺激性線維腫)であり、真の腫瘍は非常に稀である。広基性ないし有茎性で、表面は比較的滑沢で、発育は緩慢である。
症例
【CASE.01】
右側下唇線維腫 30歳代 女性
右側下唇の腫瘤性病変に気づき、精査、加療を希望し当クリニックを受診。
右側下唇に限局性の弾性硬の隆起性病変を認め、線維種の診断下、口唇腫瘍摘出術を施行した。病理組織診断の結果は線維腫fibromaであった。摘出後、再発 などなく経過良好である。
腫瘍切除時時、出血をコントロールする目的と術野の確保のために眼瞼翻展器を使用する。腫瘍の切除範囲にけん引用の糸をかけカウンタートランスラクションをかけることが重要である。
糸をかけカウンタートランスラクションをかけながら、さらに鑷子でトラクションをかけながらメスで腫瘍を口唇組織から剥離してゆく。
止血には電気メスを用いても有効である。さらに剥離を続けて摘出を行う。カウンタートランスラクションが重要である。
摘出後の縫合と摘出物の所見 摘出物は病理組織検査に提出する。