東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック

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逆流性食道炎の口腔状態

「逆流性食道炎」は、胃酸の逆流によって引き起こされる病気です。

食道は口から入れた食物を、胃に送るための管で、通常一方通行であり、食道と胃の間は下部食道括約筋によって、通常は閉じられており、食物を飲み込んだ際に開いて、食物を胃に送り込みます。一方、胃では、酸性度の強い塩酸(胃酸)と消化酵素が含まれる胃液が分泌されています。酸性度の強い胃液は食物の中に含まれるタンパク質を分解し、おかゆ程度の固さにすることで、小腸で吸収しやすい状態にします。

胃酸という強い酸が存在する胃の粘膜もたんぱく質なので分解されるはずですが、胃の粘膜には酸から粘膜を守る防御機能が働いています。しかし、食道にはこの防御機能がありません。そこで、何らかの原因で胃酸が食道に逆流すると、食道粘膜は強い酸である胃酸にさらされ、さらに胃酸によって活性化されたタンパク質分解酵素が食道を傷つ、炎症を起こしてしまうことになります。ですから、胃から食道への逆流が繰り返し起こると、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや呑酸などの不快な症状が起こります。

これが「逆流性食道炎」です。

症状としては・胸焼け、焼ける感じ、ちりちりとした胸の痛み・むかつき・食べ物がしみる・食道部の痛み・胃が重い、痛い・のどがつかえる・のどが圧迫される・のどの異物感・物を飲むときにひっかかる・胸の痛み・食欲がない・口が酸っぱくなる感じがする。・口の中に苦い水が上がってくる・起床時に胸焼けがするなどがあります。

症例

  • 逆流性食道炎の治療前

  • 逆流性食道炎の治療後

症例は、他院などで歯ぎしりによって歯が摩耗してしまったとしてマウスピースによる治療を漫然と行われてきた患者さんの口の中です。睡眠中など自分では気付かない間に、胃液や胃の内容物(酸性PH=4以下)が口の中まで逆流することで、歯が酸で溶け、酸蝕症、虫歯、知覚過敏などを起こしたと考えられる症例です。

さらに、胃酸などの胃の内容物が食道に逆流すると、あごの筋肉の運動も活発となり、歯ぎしりをおこすとされており、睡眠中の歯ぎしりが、自分で気付くこともなく、進行してその両方が相まって咬合面にエナメル質が欠損する状態になったと考えられます。

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