口腔粘膜疾患 Oral Mucosal Disease
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口腔粘膜は食事や会話、呼吸など
重要な役割を担っています
口腔粘膜疾患は、口腔内の粘膜に影響を及ぼすさまざまな疾患の総称です。
口腔粘膜は、舌、頬の内側、唇の内側、口蓋、歯茎などの柔らかい組織で構成されています。
これらの組織は、食事や会話、呼吸などの日常的な活動において重要な役割を果たしています。
主な口腔粘膜疾患
口内炎(アフタ性潰瘍)
- 特徴:
小さい白色または黄色の潰瘍で、周囲が赤く腫れます。 - 症状:
痛み、食事や会話時の不快感。 - 原因:ストレス、栄養不足、免疫機能の低下などが考えられます。
口腔カンジダ症
- 特徴:
口腔内の白色の斑点や膜。 - 症状:
焼けるような痛みや不快感。 - 原因:カンジダ菌の過剰増殖。免疫機能の低下、抗生物質の過剰使用がリスク要因となります。
扁平苔癬
- 特徴:
白い網目状の線や斑点。 - 症状:
痛みやヒリヒリ感。 - 原因:免疫機能の異常で起こるとされ、自身の免疫が口腔粘膜を攻撃します。
白板症
- 特徴:
口腔内に現れる白色の斑点。 - 症状:
通常無症状ですが、一部は痛みを伴うことがあります。 - 慢性的な刺激(喫煙、義歯の適合不良など)が関与するとされています。がん化のリスクがあるため注意が必要です。
診断と治療
口腔粘膜疾患の診断には、視診、触診、必要に応じて生検(組織検査)が行われます。治療は疾患の種類によって異なりますが、一般的には以下のようなアプローチが取られます。
薬物療法
抗炎症薬や抗真菌薬などが処方されることがあります。
生活習慣の見直し
栄養状態の改善やストレスの軽減が求められます。
必要な場合の手術
特定の疾患やがんの疑いがある場合は、手術が行われることもあります。
予防について
口腔粘膜疾患を予防するためには、口腔衛生の適切な管理が重要です。定期的な歯科検診や正しいブラッシング法の実践、適切な食生活が推奨されます。また、喫煙や過度の飲酒、ストレスの管理も重要な要素です。
口腔粘膜疾患は早期発見と適切な治療が鍵です。異常を感じた場合は、早めに歯科医師に相談することをお勧めします。