フコイダン療法

「フコイダン」とは、モズクやメカブ、昆布などの褐藻類などのヌルヌル成分の中に含まれる多糖類のことです。海藻類の中のヌルヌル成分の中に多く含まれることが判ったのが「フコイダン」で、乾燥重量の約4%含まれます。

「フコイダン」は、硫酸化多糖類の仲間で海藻の種類によっても異なってきますが、モズクには特に「硫酸化フコース」「フコース」が多く含まれているといわれ、この「硫酸化フコース」「フコース」が、癌(がん)に対して有効であることが判ってきました。癌(がん)治療で一般的に使われる抗がん剤は、癌(がん)細胞にもダメージを与える反面、同時に正常細胞にも 多くのダメージを与えてしまいます。

「フコイダン」は、正常細胞をより強化(免疫力強化、マクロファージの活性化、NK細胞の増強活性化)し、同時に癌(がん)細胞 に対してのみ増殖抑制する可能性を持っています。更に癌(がん)の抑制ではなく、癌(がん)細胞自体を死に追いやっていくことも基礎的な研究で示され始めました。

「フコイダン」の医学的なメカニズムは、全てが解明されているわけではありませんが、明確になってきているものは、以下の3つが挙げられます。

  • 1. 癌(がん)細胞に対するアポトーシス作用

    私たち人間の身体は、細胞で構成 されており、細胞は新陳代謝によって常に新しい細胞に、入れ替わっています。正常細胞は、一定期間を過ぎると自らが死を選んで死んでいくように遺伝子の情報の中に組み込まれています。このように細胞が自ら死を選んで死んでいく作用 のことを医学用語でアポトーシスと言います。
    しかし、癌(がん)細 胞はこのアポト-シスを起こさずに死ぬことがなく、増え続けるのです。そそ癌(がん)細胞を自殺に追い込む可能性が「フコイダン」にあるという研究結果が出てきています。
  • 2. 免疫力強化

    癌(がん)細胞の増殖を免疫能を上げることで、抑えることがフコイダンにあることが研究によりわかってきています。
  • 3. 新生血管抑制

    癌(がん)細胞は異常に増殖するため栄養が必要で自ら血管を生き残るために細胞の周りに呼び込みます。それを抑える効果がフコイダンにあることが報告されてきています。つまり、フコイダンが、癌(がん)による新しい血管を作らせず、結果的にがん細胞の内部に栄養が行かなくなり、内部から壊死していくということになります。

リスクと副作用

治療に使用したフコイダンクリームは、トンガ王国産モズクフコイダンは独自の低分子化加工法により500分子以下に加工 したもので、フコース約60mg(10g中)を含み、他の配合成分は以下に示すクリーム(化粧品)です。

フコイダンクリームには非常に微量ではありますが昆布・わかめ・のりなどに含まれているヨウ素(ヨード)を含む(0.015mg/10g)ため、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患を持つ方への影響が考えられますが、有害事象を生じる可能性は含有量から考えると低いと思われます。

【フコイダンクリームの配合成分】
水・ヒバマタエキス・ミリスチン酸オクチルドデシル・ワセリン・DPG・パルミチン酸イソプロピル・ステアリルアルコール・トリセテス-5リン酸・ステアリン酸グリセリル・グリチルレチン酸ステアリル・アルギン酸Na・レシチン・アデノシン三リン酸2Na・塩化Ca・塩化Mg・塩化Na・ステアリン酸PEG-40・アスコルビン酸・ピリドキシンHCI・ナイアシンアミド・チアミンHCI・リボフラビン・クエン酸・ラベンダー油・オレンジ油・オレンジ果皮油・スペアミント油・タチジャコウソウ油・タイム油・プロピルパラベン・メチルパラベン

右側歯肉頬粘膜扁平苔癬

フコイダン著効例

  • #
    フコイダン投与 前日
    BEFORE
  • #
    フコイダン投与 1ヶ月後
    AFTER
主訴

右側下顎歯肉から頬部にかけての粘膜の荒れ

治療内容

初診時、右側下顎歯肉から頬部にかけての紅斑を認めた。ワサビやしょうゆなどが染みるとのことで、生検を行ったところ病理組織診断にて「口腔扁平苔癬」の診断を得た。

ステロイド(デキサルチン口腔用軟膏1mg/g)を処方して患部への塗布を指示したが、1ヶ月経っても改善がなく、フコイダンクリーム(PFクリーム:第一産業)の塗布を1日4回(食後ならびに就寝前)指示した。

治療期間

1か月

写真のごとく、発赤およびびらんの改善を認めた。その後も症状の変化に応じてフコイダンクリームの塗布にて経過を見ているが、びらんの形成などはなく症状は安定している。

治療費用

PFクリーム 1本/2,200円(税込)

右側舌白板症

67歳女性 フコイダン有効例

  • #
    フコイダン投与 前日
    BEFORE
  • #
    フコイダン投与 1ヶ月後
    AFTER
主訴

右側舌縁部の白色病変の精査

治療内容

初診時、右側舌縁部に白色病変を認め、細胞診を行ったところ、Class IIの診断であった。特に痛みなどの症状はなく、全摘生検の適応であることをお話ししたが、切りたくないとのことでフコイダンクリームによる治療を選択した。

フコイダンクリーム(PFクリーム:第一産業)の塗布を1日4回(食後ならびに就寝前)指示した

治療期間

1か月

写真のごとく、白色病変の消失を認めた。その後も病変の再発などはなく、経過を観察している。

治療費用

PFクリーム 1本/2,200円(税込)

右側紅板症

72歳女性 フコイダン有効例

  • #
    フコイダン投与 前日
    BEFORE
  • #
    フコイダン投与 1ヶ月後
    AFTER
主訴

右側舌縁部の紅色病変の精査

治療内容

初診時、右側舌縁部に紅色病変を認め、細胞診を行ったところ、Class IIIaの診断であった。生検を行い、病理診断の結果「mild epithelial dysplasia」(軽度上皮性異形成)の診断であった。

全摘生検の適応であることをお話ししたが、広範囲での切除になることから、手術はしたくないとのことで、フコイダンクリームによる治療を選択した。

フコイダンクリーム(PFクリーム:第一産業)の塗布を1日4回(食後ならびに就寝前)指示した

治療期間

2年6か月

写真のごとく、1ヶ月目には発赤も改善し、紅色病変の改善を認めたが、病変の消失には至らなかった。その後も病変の増悪は認めないものの病変は消失せず、定期的な経過観察を行っているしている。

治療費用

PFクリーム 月1本/2,200円(税込) 総額:約44,000円(税込)

左側歯肉頬粘膜扁平苔癬

75歳女性 フコイダン著効例

  • #
    フコイダン投与 前日
    BEFORE
  • #
    フコイダン投与 1ヶ月後
    AFTER
主訴

左側頬粘膜の紅色病変、辛いもの、刺激物がしみる

治療内容

初診時、左側下顎歯肉から頬粘膜部にかけてびらんを伴う紅色病変を認め、細胞診を行ったところ、Class IIIaで診断であり、生検を行ったところ「Oral Liphen Planus(口腔扁平苔癬)」の診断であった。

サルコート(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル噴霧剤)により、食事中のしみるような痛みは軽減したが、発赤は変わらず、フコイダンクリームによる治療を選択した。

フコイダンクリーム(PFクリーム:第一産業)の塗布を1日4回(食後ならびに就寝前)指示した。

治療期間

6か月

写真のごとく、1ヶ月目には発赤も改善し、紅色病変の改善を認めたが、病変の完全な消失には至らなかった。症状は安定しており定期的な経過観察を行っているしている。

治療費用

PFクリーム 月1本/2,200円(税込) 総額:約13,200円(税込)

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命を預かる歯科口腔外科診療

口の病気には口腔癌など命に直接関係する怖い病気以外にも、心筋梗塞や脳梗塞を起こす血栓の原因である歯周病菌や、誤嚥性肺炎の原因、敗血症の原因になる病巣、骨粗鬆症の診断など命に直結する疾患や原因が多く存在します。
私ども東京銀座シンタニ歯科口腔外科は、院長である新谷悟教授の25年に及ぶ口腔外科医として心血を注ぎこむ命を預かるクリニックとして開院いたしました。

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